TOEIC to GTEC?
自分の部署で新たに社員を募集していることもあって、先日人事部のスタッフとお話しする機会がありました。求人から採用に至るまでのプロセスのupdateもその目的の一つです。当然、採用に関してはapplicantsの総合的な能力を如何に事前に正確に把握できるかということが重要になってきます。私のいる会社の場合、言語能力もその中の重要な一つになります。
- 以前から多くの方は応募の際にTOEICをはじめとする試験類のスコアや検定試験の資格などをresumeに記載してこられます。採用側はこれで大体のレベルを想定します。そして実際に面接の際に主にverbalなcommunicationを通じてその能力をチェックする、といった具合です。
- ただTOEICをはじめとするinput-only系の試験(listeningとreadingだけ)はoutput skillsもinput skillsと良い相関を持っているという前提に立っています。ところがこれ、必ずしも精度の高い相関がいつもあるというわけでないのは以前にも述べましたね。人事部のスタッフも同じような認識を持っているようでした。実戦経験のないTOEIC900点以上の人が、ときおり、それよりかなり低い得点だが実戦経験のある人にoutputでは劣っているというような相関の外れです。
- もちろん前にも言ったように、outputの能力はinput能力という基盤があればついてくるし、初・中級のうちはinputを磨くのが大事だという点はいまでもかわりません。しかし企業の採用となれば明日から使える即戦力を求めているのも事実です。その場合、実戦で使い始めて大体1年くらいはかかるoutputのcatch upはやはりハンデです。
- そこで彼らが面接前に受験をお願いしようと検討しているのがGTECという試験です。この試験、ベネッセとベルリッツが共同で運営を始めた(というかベネッセの傘下に入っているベルリッツを使ってベネッセがやらせている?)、新しいタイプの試験です。「sasoさんも一度、受けてみてくださいよ。感想聞きたいし。」といわれ、とりあえず家に帰ってコッソリとネット上のデモテストを受けてみました(サイト上でこれだけ大風呂敷を広げている手前、下手な点数をpublicにはできんしな〜と思ったのも事実。これじゃあ、いつか「不射の射」状態になったりして(*^_^*)
- 特徴はインターネットを使ってwritingとspeakingの能力もlistening/readingと同じ比重で評価しようとしている点です。また、かなり意識してbusinessに特化した出題内容で、よくあるbusiness sceneから遊離した変に高尚な論文を読ますようなピント外れがないのも特徴でしょう。
- 特にwritingとspeakingはかなり実戦に近い形のテーマが与えられ、かなり短時間に自分の中で内容をまとめ、PCに向かってoutputさせられます。Presentationもあり、経験のない人はこれは結構焦る内容かもです。日常業務でよくあるようなテーマを与えられて3分間の準備時間が与えられ、2分間のpresentationでした。
- Academicな興味と達成感で受験勉強のノリでTOEICの高得点をとったというだけの人はoutput側のスコアがガクンと低いという結果が出そうです。事実、人事部の試験的な採用ではその傾向が極めて如実にでている、とのこと。
- こういうテストはこれからどんどん増えてくるでしょうね。そして何年か先にはTOEICに変わるようなスタンダードテストになっていくかもしれません。いいことです。